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食品添加物と原発

  • peregrinatio
  • 2016年1月24日
  • 読了時間: 4分

先週、松本では大雪が降り、この週末も大雪との情報があったもので、とりあえず食料品をまとめ買いをしておいた。相方との連絡が不十分で(いつものことだが)、2人して別々に買い物をしてきてしまったため、冷蔵庫がなかなかの充実ぶりとなった。普段は冷蔵庫(容量270L)がすっからかんなことが多いのだが、これだけの物量がこの冷蔵庫にあるというのは、もしかしたら結婚して以来初めてのことかもしれない。

その中に「業務スーパー」で購入したソーセージの1kg袋がある。加工肉は身体によくないと知りつつ、好きなので食べてしまう。安っぽい味のものほどクセになる。というわけで、買うときは大量買いしてしまうことが多いのだ。なかでも特に気に入っているのは、「ベーコン端材1kg1080円(税抜)」。

加工肉は何が身体に良くないのか。それはもちろん添加物だ。

必ずといって良いほど含まれている「リン酸塩ナトリウム」は、カルシウムの吸収を阻害するし、「ソルビン酸」は腸内細菌を制圧してしまう他に発がん性疑惑も持たれているし、「亜硝酸ナトリウム」に至っては致死量たった2gなんだそうだ。

なぜそんなものを使うのかというと、とりもなおさず安全のため、という矛盾した答えになる。

四里四方で採れたもので食のすべてを賄っていたイニシエならばいざ知らず、現在のように多くの人の手を渡り、長期間に亙って流通する食品には、腐敗や汚染のリスクがつきまとう。それらの毒を毒で制するのが食品添加物ということになる。例えば亜硝酸ナトリウムがなければ、極悪非道ボツリヌス菌にやられてしまう可能性が飛躍的に増える。

などという付け焼き刃知識をググりながら吸収しているうちに、ヘンな記事に出っ食わした。

2015年4月18日 ビジネスジャーナルの記事。

長いので3行にまとめると・・・、

1  添加物に毒性があるからといって、必要以上に恐れるのはナンセンスだ。

2 添加物の安全性に関しては、信頼でき、かつ権威ある公的機関で実証済。

3 危険を煽るヤカラは、まともにエリートを納得させる論文も結果も出せないヘタレだ。

  そんな奴等もいるわけだから、変な情報には振り回されないように気をつけませう。

・・・・。3行といいつつ4行になってしまったが、至極もっともな意見だと思う。

だけど、なんというのかな、すんごい違和感がある文章でもある。

特に「2」に関わるこの部分。

「多くのエリート科学者が膨大な実験をして、さらにそれを上回るスーパーエリートが何百人も頭脳を突き合わせて検証し、メリットとデメリットを天秤にかけて最適な分量を決めているのです。」

もちろん執筆者も、この違和感に気づいたのか、「世界屈指のエリートたちの実験結果と聞いただけで、うさんくさい感じがするのもわかります。」という一文を加えてはいる。

というわけで「3」の展開となっていくわけだ。

この違和感、どこかでお馴染みだったはず。どこだっけ・・・。あ、そうだ、あの、ほれ、あれだよ、原発。

エリートが集まって安全神話を作り上げていた、アレ。

エリート学者として公に主張が認められるには、原子力村の村民となって、安全神話に加担しなくてはならなかったという、あれ。

311から5年も経っているというのに、この執筆者のアタマの中は何も変わらんらしい。だからこんなナンセンスな記事を書く。信じるか信じないか、どっちなんだ、みたいなことを言う。

こういう記事が書かれる背景には、添加物なしでは成り立たない食品業界による、安全性を主張シタイシタイ病の蔓延というのがあるだろう。日経をはじめとした経済紙誌というのは、現時点で明らかになっている事実のみを材料に、合理的な判断で紙面を作るという方向では最右翼のメディアだ。だから自然、強大な組織力で集めた膨大なデータに裏打ちされた情報が提供できる、業界側に有利な記事がかかれることが多い気がする。貧乏長屋の与太郎ごときのぼんやりとした不安などというものは、当然相手にもされない。

ここにこういう資料がある。

「もっと知ってほしい食品添加物のあれこれ」及び「テンカちゃんの豊かな食卓」

これって・・・、TEPCO館とかで配ってた原発安全パンフと全くノリが一緒・・・。

どうだろう、「この添加物にはこれこれこういう危険があるけど、こういう安全基準で使っているから、とりあえずは大丈夫。だけど科学はまだ万能じゃないから、分かっていない部分も多い。だからどうか食べ過ぎないで、頼りすぎないで、バランスのとれたお食事のお伴に、ワタシを上手に使ってね」みたいなそんな言い方はできないもんなのだろうか。

上記BJの記事だって、こういう視点で書かれていたら、名記事になったんだろうにな。

ナニユエ論破したりするような好戦的な態度になってしまうんだろう・・・。

ヤダヤダ。

 
 
 

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